COLUMN
多汗症の人がもっとも悩む季節は、夏の暑い時期です。
汗の量は仕事や日常生活に支障が出るほどで、人によってはワキガも併発します。
汗の量には遺伝的要素が大きく関与しているため、個人の努力だけでは改善が非常に難しいケースが多く見られます。
しかし、多汗症ボトックス注射で汗の量を大きく抑制でき、軽度のワキガであれば改善する可能性もあるのです。
この記事では、汗や臭いが発生する仕組みや、多汗症ボトックス注射の様々な側面について解説します。
汗や臭いが発生する仕組みには「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」と呼ばれる、2つの汗腺が関係しています。
エクリン汗腺はほぼ全身にあります。
気温の上昇や運動、緊張などが引き金で汗が出ますが、私たちが「汗」と呼んでいるものは、このエクリン汗です。
一方、アポクリン汗腺は主に脇や陰部にあります。
アポクリン汗には脂質やタンパク質が含まれているため、これらが分解されることで臭いの原因となります。
汗を多量にかく方はエクリン汗腺の数が多いことが挙げられます。
また、体臭が強い方はアポクリン汗腺が多い傾向にあります。
多汗症ボトックス注射とは、ボツリヌストキシン製剤を注射することで汗の量を抑制する施術です。
制汗剤などで対応しきれない量の汗や臭いにも効果が期待できます。
多汗症の人にボトックスを注入する主な部位は、脇下、手のひら、足裏です。
ボトックス注射はメスを使う治療法ではないため、施術時間は10分程と短く、体への負担が少ないことが大きなメリットです。
人は、神経の末端(神経終末)からアセチルコリンという神経伝達物質が放出されると汗をかきます。
ボトックス注射には、このアセチルコリンの放出を抑える働きがあるので、過剰な汗の分泌をブロックすることができるのです。
多汗症ボトックス注射が可能な主な部位は、下記の通りです。
・脇下
・手のひら
・足裏
・額
・首裏
特定の部位の汗が止まることで、快適に日常生活を送れるようになるでしょう。
しかし副作用も存在するため、施術前に必ず医師の診察を受けてください。
多汗症ボトックス注射のメリットには、下記の要素があります。
・汗や匂いを抑制できる
・傷跡ができない
・施術時間が5〜10分と短い
・ダウンタイムがほとんどない
他の施術と比較すると、手軽に受けやすいことが大きなメリットです。
多汗症を治療する方法には切開を伴う施術もありますが、体に傷が残ってしまったり、施術時間やダウンタイムに要する時間も増えてしまいます。
多汗症ボトックス注射は、体への負担が非常に少ないことが人気の理由でもあります。
多汗症ボトックス注射のデメリットは、下記の通りです。
・効果があらわれるまでに数日かかる
・効果が持続するのは3~4ヶ月程
・代償性発汗が生じることがある
ボトックス注射の効果があらわれるまでには3〜7日を要します。
施術直後から汗が止まるわけではありません。
即効性がないことは知っておきましょう。
また、代償性発汗といって、ある部位の汗を止めることで他の部位の汗量が増えることがあります。
代償性発汗の感じ方は個人差がありますが、さほど気にならない程度のことがほとんどですのでご安心ください。
多汗症ボトックス注射を受ける際の注意点は下記の3つです。
・効果の持続には継続して施術を受ける必要がある
・稀に抗体ができるケースがある
・ボトックスが体に定着するまでは制限が多い
1つずつ詳細を見ていきましょう。
ボトックスの効果持続は3〜4ヶ月程です。
さらに効果を持続させたい場合は、再度施術を受けることになります。
その分金銭的な負担も増してしまうため、無理のない範囲での検討が必要です。
稀なケースですが、短期間で多くのボトックスを体に注入した結果、抗体ができるケースがあります。
抗体ができると、ボトックス効果は半減してしまいます。
抗体ができるケースは多くありませんが、頻回に多くの単位数でボトックス注射を受けた場合に発生する可能性があるといわれています。
ボトックスが体に定着するまでは、マッサージやサウナなど血行を促進する行為は禁物です。
ボトックスが隣接する部位に広がってしまったり、本来の効果が発揮されなくなったりすることがあるためです。
施術後1週間は控えましょう。
下記のいずれかに当てはまる人は、多汗症ボトックス注射がおすすめです。
・多汗症で悩んでいる
・リスクの少ない施術を受けたい
・ワキガの状態が重度ではない
・制汗剤の使用頻度が高い
多汗症ボトックス注射は、汗量の抑制に大きな効果を発揮します。
汗の量が減少すると皮膚に細菌が繁殖しにくくなるため臭いも抑制できます。
そのためワキガの人にも効果がありますが、症状が重度である場合には改善が得られないことがあるため注意が必要です。
重度のワキガの症状に悩んでいる人は、医師から別の治療を提案される可能性があります。
当院の多汗症ボトックス注射は、アラガン社のボトックスビスタを使用しています。
アラガン社のボツリヌストキシン製剤は厚生労働省からの認可を受けており、安全性・信頼性が高いことが特徴です。
多汗症ボトックス注射で優れた結果を出すためには、治療効果の高い適切な部位に適量を注入する必要があります。
当院に在籍する担当医師は、ボトックス注射を熟知しており、患者様一人ひとりのお悩みに適した施術を行います。
多汗症ボトックス注射は切開を伴わない施術ですが、リスクを減少させるためには医師の確かな知識や技術、経験が必要です。
施術について質問や要望がありましたら、当院までお問い合わせください。
多汗症ボトックス注射は汗量の多さに悩んでいる人におすすめの治療です。
汗や臭いが発生する仕組みは、エクリン汗腺とアポクリン汗腺という2つの汗腺が関係しています。
ボトックスにはこのエクリン汗腺への神経伝達を遮断する作用があるため、汗量の減少が見込めます。
ただし、ボトックス注射の効果持続は半永久的ではないため、定期的に施術を受ける必要があります。
初期研修終了後、NTT関東病院麻酔科、TIクリニック(美容皮膚科)等を経て、2018年にCHRISTINA CLINIC銀座の院長に就任。2016度よりアラガン施注資格認定医。
CHRISTINA CLINIC銀座は特に「小顔」「痩身」「美肌」に力を注いでおり、「切らずに」「すぐに効果が期待できる」施術をメインに提供しております。2020年3月には、「JeisysAward2019」にて、医療ハイフ年間施術数日本一のクリニックとして表彰されました。